親が亡くなった場合などに、実家を相続することになるケースも少なくありません。
その際に少なからず税金が発生します。相続時だけでなく、その後の実家を維持する中で発生するランニングコストについても把握しておかなければならないでしょう。
しかし、経験や知識がなくよくわかっていないという方も多いです。
そこで今回は、実家を相続した場合に発生する税金やランニングコストについてご紹介いたします。
ぜひ参考にして下さい。
1.実家を相続する場合の税金
実家を相続する場合ですが、税金としては「相続税」が発生することになります。
相続税というのは、総額で計算されるものです。
たとえば、実家を相続するとなったとしても、家の相続に対して税金がかかるわけではありません。
相続する際には実家だけでなく、現金など他にも相続するものがあるでしょう。
それらの総額に対して相続税は発生することになるのです。
ただし、相続するものの中でも金額が高いものとしては、不動産あるいは現金であるケースがほとんどです。不動産の相続税評価額がどのくらいかわかれば、最終的な相続税に関してもおおよそ見当がつくでしょう。
1-1.相続税は必ず課税されるわけではない
相続税というのは、相続する際に発生するものですが、必ず課税されるわけではありません。
多くの方が問答無用で課税されると思っているかもしれませんが、課税されないケースも存在しているのです。
それは、「基本控除額を下回った場合」です。
※基本控除額とは 「3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)」と いう計算式によって算出される金額となります。 |
たとえば、不定相続人の人数が2名であれば、基本控除額は4,200万円になります。
その場合、相続するものの総額が4,200万円以内であれば、相続税は課税されずに済むのです。
万が一基本控除額を超えてしまった場合には、金額によって税率は異なります。
1,000万円以下であれば、10%の課税です。
つまり、500万円であれば50万円相続税として支払わなければなりません。
1-2.実家を相続する場合の相続税評価額の計算方法
相続税評価額ですが、家の場合には建物と土地で分けて計算されることになります。
建物の算出方法はいたってシンプルで、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となるのです。
「固定資産税課税証明書」という書類に価格として記載されている金額が固定資産税評価額となります。(※被相続人がもともと住居として利用していた場合)
ただし、土地に関しては戸建てやマンションなど、どのような形態かによって算出方法は異なります。
算出方法は複雑なため、実際には専門家に依頼するのがおすすめです。
必要でしたら信頼のおける税理士事務所のご紹介も可能です。
2.実家を相続したあとに発生する税金などのランニングコスト
実家を相続したあと、その家を維持する上で以下の費用がランニングコストとして発生することになります。
2-1.税金
発生するランニングコストとしては、まず「税金」が挙げられます。
賃貸物件の場合、家賃という形で毎月のランニングコストが発生しますが、持ち家の場合にも税金という形で費用が発生するのです。
必ず発生する税金として「固定資産税」があります。 |
所有する土地や建物は固定資産という扱いになるため、それに対して税金を支払うことになるのです。建物の築年数などによっても税額は変動します。
地域によって発生する可能性があるのが「都市計画税」という税金です。
これは上下水道や道路の整備に使用する目的として支払うことになります。
「市街化区域内に該当する場合のみ」支払いが発生するのです。
土地や建物が所在する市区町村から納付書と納税通知書が毎年1回郵送されてくるので、税額はこれらの書類を確認すれば把握する事が可能です。
また、名寄帳を市区町村へ申請し取得することによって、いつでも税額を把握する事ができます。
2-2.修繕費
ランニングコストとして「修繕費」があげられます。 |
毎月発生するようなものではありませんが、一定の間隔でまとめて支払うことになるでしょう。
家は経年で劣化してしまいます。
たとえば外壁の場合、新築から10年以上経過した時点で修繕するのが好ましいとされています。
問題なく使えている場合であっても、劣化によっていつ正常に機能しなくなってしまうかわからない状態となるのです。
定期的に修繕することで、長く住み続けていくことが可能となります。
どの設備においてもそれなりにまとまった費用が発生するため、あらかじめ修繕を想定して資金を用意しておかなければなりません。
2-3.保険料
保険料もランニングコストの一つです。 |
戸建てでもマンションでも、火災保険への加入が一般的となります。
とくに住宅ローンを組む場合には必須とされているのです。
万が一火災が発生した場合に安心できるため、加入するというのはご自身のためのものでもあります。
火災はご自身だけでなく周囲に対しても被害が甚大になるケースも多いため、未加入というのはあまり現実的ではありません。
加入した場合、保険料が発生します。
補償内容によって金額も変動しますし、保険会社によっても異なる部分となります。
3.相続した実家が不要であれば税金を抑えるために売却するべき
相続した実家が不要であれば、税金などのランニングコストを抑えるために売却するべきです。
実際に実家を相続するとなった場合ですが、すでに住んでいる家があるため実家の建物が不要になるケースも少なくありません。その場合、実家は不要な建物として維持をし続けなければならなくなってしまうでしょう。
将来的に子どもなどに相続するために残しておきたいという場合もあるかと思いますが、それまでのあいだランニングコストが発生してしまいます。住んでいるのであればまだしも、住んでいない家に対して発生するランニングコストは負担でしかありません。
不動産を売却するする際の諸費用を解説しております↓
3-1.家を売却するメリット
家を売却するメリットとしては、まず「現金が手に入る」という点が挙げられます。
建物や土地を売却した場合、諸々の手数料を差し引いたとしても現金が手に入ることになるでしょう。もしも住宅ローンが残っている場合には、その支払いに充てることも可能となります。
また、修繕費の発生はしなくなります。建物自体がなくなるため資金を準備することも不要となるのです。
当然固定資産税などの税金も発生しなくなるため、実家を所有し続けることで発生するランニングコストのすべてが不要となるのは大きなメリットとなるでしょう。
3-2.家を売却する際にも税金が発生する
ただし、家を売却する際には少なからず税金が発生するため注意しましょう。
実家を売却した際に利益が出た場合、「譲渡所得税」という税金を支払わなければなりません。
これは確定申告をすることになります。
また、「印紙税」というものも発生するのですが、こちらも同様に売買代金に応じて金額が変わります。
これらの細かい計算については実家の保有年数等によっても変動する部分となり、正確な計算は複雑ですので、不動産売買のプロである不動産業者や税理士に確認することをおすすめします。
4.まとめ
実家を相続するとなった場合には、相続税が発生します。ただし、基礎控除額を下回った場合には税金の支払いが不要です。相続後に関しては、固定資産税などの税金が発生しますので、ただ所有しているだけでランニングコストが発生することになります。もしも相続をしたものの、家そのものが不要という場合には、売却してしまうのが最もおすすめです。
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